仏花・お供えの花の選び方とマナー|宗教別・地域別ポイントも
BLOG
豆知識
仏花・お供えの花の選び方とマナー|宗教別・地域別ポイントも
はじめに|“花に込める供養の心”を正しく伝えるために
法事やお盆、命日など、大切な故人を偲ぶ場面では、**お供えの花(仏花)**が欠かせません。
しかし、「どんな花を選べばよい?」「宗教によって違いがあるの?」と悩む方も多いのではないでしょうか。
この記事では、仏花の基本から宗教・地域別のマナー、選び方のポイントをわかりやすく解説します。
初めての方でも安心して贈れるよう、注意点や避けるべき花もまとめました。
仏花とは?|お供え用の花と普通の花ギフトの違い
仏花とは、仏壇・墓前・法要などにお供えするための花のこと。
「供養」「敬意」「感謝の心」を込めて贈られるものです。
一般的な特徴:
-
白・紫・黄色など落ち着いた色味が中心
-
対の花束(左右対称)として飾ることが多い
-
香りが強すぎない花が好ましい
仏花によく使われる定番の花材
| 花の種類 | 意味・特徴 |
|---|---|
| 菊 | 長寿・高潔・不老不死。仏花の代表格 |
| リンドウ | 忠実・誠実。秋の命日に人気 |
| カーネーション(白・紫) | 無垢な愛。母の日の命日などに選ばれる |
| トルコキキョウ | 清らか・優美。色の種類も豊富で近年人気 |
| グラジオラス | 記念日や一周忌などでよく使われる |
| ユリ | 清らかさ・威厳。※香りが強いため控える地域もあり |
宗教別|仏花・お供えのマナーの違い
仏教(浄土真宗・浄土宗・曹洞宗など)
-
白・紫・黄色系を基調とした仏花スタイルが一般的
-
菊やリンドウを中心に、落ち着いた花材が好まれる
-
生花が基本。プリザーブドや造花は避けられることが多い
神道
-
「榊(さかき)」を中心にした祭壇が基本
-
花を添える場合も、控えめで神聖な印象の花を選ぶのがマナー
-
菊・カーネーション・トルコキキョウなどの白花が無難
キリスト教(カトリック・プロテスタント)
-
基本的に白い花中心の洋花スタイルが好まれる
-
百合・カーネーション・胡蝶蘭などがよく選ばれる
-
献花や祭壇装花はシンプルかつ洗練された印象が大切
地域別|仏花・お供えの考え方の違い
| 地域 | 傾向 |
|---|---|
| 関東 | 白・紫を基調とした「洋花ミックス」が主流。菊以外もよく使われる |
| 関西 | 菊・リンドウ中心の「和花ベース」が多い。宗派への配慮が強い傾向 |
| 北海道・東北 | 季節感と色数を意識したアレンジが選ばれやすい |
| 九州・四国 | 花よりも「榊・線香・供物重視」の風習もあり、慎重な選択が必要 |
お供え花の選び方|場面別ガイド
法要・命日・お盆などの仏壇用
-
色数は控えめに、対(2束)で贈るのが基本
-
丈の長い花は短く切って、飾りやすくまとめる
-
相手先で仏壇サイズを確認できれば安心
お墓参り・納骨・初盆
-
丈の長い花を束で持参
-
香りが強すぎず、暑さに強い花材を選ぶ(夏場は特に注意)
-
水を替えやすいよう、持ち運びしやすいラッピングに
よくある質問Q&A
Q. 菊を入れないと失礼?
→ 必須ではありません。最近はトルコキキョウやリンドウなど洋花も多く使われています。ただし年配の方には菊入りが無難。
Q. 派手な色の花でも大丈夫?
→ 命日や法要では控えるのがマナー。初盆や一周忌までは特に白・紫・淡い色でまとめるのが安全です。
Q. プリザーブドフラワーや造花でもいい?
→ 仏教では生花が原則。故人の好みによって例外もありますが、基本は生花を選ぶのが礼儀です。
まとめ|“想いを込めた花選び”が大切
仏花やお供えの花は、ただ華やかであれば良いというものではありません。
宗教・地域・場面に配慮した花選びが、相手への心遣いとして伝わります。
迷ったときは、無難な白や紫を中心にしつつ、
“供養の気持ち”を丁寧に花で表現することが何よりも大切です。
