仏壇に供える花は、一般的に以下のポイントを押さえれば失礼になることはありません。

① 白を基調とした落ち着いた色合いが基本

仏教では白が清浄を表す色とされ、仏壇や命日に供える花は白＋淡いピンク・淡い紫・淡い黄色などがよく使われます。

ビビッドな原色（濃い赤・濃い黄色）は派手に見えるため避ける地域が多いです。

② 長持ちする花を選ぶ

仏壇は日常的に手を合わせる場所なので、長く綺麗に保てる花材を中心に組み合わせるのが一般的です。
菊・カーネーション・スターチスなどは仏花の定番です。

③ 花の種類に宗派の厳密な規定はない

バラが絶対にNGというわけではありません。
最近はトゲを落として落ち着いた色で仕上げるなど、故人の好みを反映した柔軟なスタイルも増えています。

④ 左右対称・同じ本数が基本

仏壇の両脇に花瓶がある場合は、色や本数を揃えて「対」にするのが一般的です。

⑤ 故人の好きだった花を入れるのも正しい供養

お好きだった花（向日葵・バラ・トルコキキョウなど）を、落ち着いた色味で一部入れると、よりご家族の心に寄り添う供え方になります。

厳密な規定はありませんが、一般的には次のような傾向があります。

仏教（最も一般的）

• 白・淡色を中心に落ち着いた色合い
• 菊・カーネーション・小菊・ユリ・トルコキキョウなどが多い
• バラはトゲを落とせば使用可

神道

• 白い花が基本
• 榊（さかき）を使う場合もある

キリスト教

• 白を中心にユリやバラがよく使われる
• 派手すぎる装飾は避ける

宗教形式が不明な場合は、白＋淡色でまとめればどの宗派でも失礼になりにくいです。

絶対NGではないものの、一般的に避けるべきとされる花・色には理由があります。

① 原色に近い濃い赤・濃い黄色

祝い花のイメージが強く、仏壇には強すぎる印象になるため控えることが多いです。

② トゲの強いバラ（処理すれば問題なし）

バラは「棘＝痛み」を連想するため控えられることがありますが、最近は棘抜きをすれば問題なしという考え方が主流です。

③ 香りの強すぎる花

ユリは仏花として非常に使われますが、香りの強い品種は室内に長時間置くと負担になることがあります。

④ 派手な装飾の造花

プリザ・造花はOKですが、ラメ入り・原色・派手すぎるものは避けましょう。

季節や環境によって変わりますが、総合的に「仏壇で長持ちしやすい花」をランキング化しました。

地域・宗派・家庭の考え方によって最適解は変わります。「長く飾りたい」「管理が楽なものを」と伝えるのがコツ。

春（3〜5月）

• トルコキキョウ
• スイートピー
• チューリップ（淡色）

夏（6〜8月）

• スターチス
• デンファレ
• ソリダコ
• ヒマワリ（淡色系・控えめサイズ）

秋（9〜11月）

• 小菊・スプレー菊
• カーネーション
• トルコキキョウ

冬（12〜2月）

• ユリ（香り控えめ）
• ガーベラ
• ストック

命日・月命日は「忘れていない」という気持ちを届ける大切な機会。
いつもの仏花より少しだけボリュームを出したり、故人の好きだった花を取り入れたりすると、特別感が生まれます。

• 白を基調に淡色を数輪入れると上品に
• 仏壇のスペースに合わせてコンパクトにまとめる
• 高齢のご家族には「そのまま飾れるアレンジメント」がおすすめ

生花の管理が難しい場合は、プリザーブド仏花・造花の仏壇花も選ばれています。

仏花を長持ちさせるには、次の3つを押さえるだけで大きく変わります。

① 水替えは毎日／夏場は1日2回

特に夏は雑菌が繁殖しやすいため、こまめな水替えが重要です。

② 花瓶はこまめに洗う

ぬめりが出る前に洗うと持ちが大幅に変わります。

③ 茎を1cmほど切り戻す

切り口を新鮮にすることで水の吸い上げが良くなります。

仏壇の花は「厳しいルール」よりも、
・落ち着いた色
・長持ちする花
・故人やご家族に寄り添う心
が大切です。

初めての方は、
白＋淡色の小菊・カーネーション・トルコキキョウを中心に選べば間違いありません。