まずは、どんな花が「冬に長持ちしやすい花」と言えるのか、基準を整理しておきましょう。

• 低温に強い（5〜15℃前後でも傷みにくい）
• 茎がしっかりしていて、水が下がりにくい
• 花びらが厚め・丈夫で、乾燥に比較的強い
• 鉢花の場合は、室内管理に適した品種である

冬は外気が冷たい一方で、室内は暖房で乾燥しがちです。
「寒さ」と「乾燥」の両方にある程度耐えられる花を選ぶことが、長く楽しむコツです。

※真冬の玄関など、0℃近くまで下がる場所では、長持ちする花でも凍結に注意が必要です。

自宅リビング・ダイニングに

• 暖房で乾燥しやすいので、水揚げの良い切り花＋グリーンの組み合わせが◎
• 香りが強すぎないものを選ぶと、食事中も気になりにくい
• 花瓶をテーブルの中央に置くなら、360度どこから見ても綺麗なラウンド型がおすすめ

贈り物・ギフトに

• 届いたらすぐ飾れるフラワーアレンジメントや鉢花が人気
• 冬場は配送中の温度が低いため、寒さに強めの花材を選ぶと安心
• お歳暮や年末年始の挨拶には、「長く楽しめる」というポイントを一言添えると好印象

玄関・エントランスに

• 外気に近い温度になることが多く、寒さに強い花材が必須
• 来客時の第一印象になるので、縦長シルエットや枝ものも取り入れると映える
• 水やりの頻度を減らしたい場合は、鉢物や寄せ植えタイプが便利

冬〜早春に出回る代表的な切り花。
ボリュームのある花穂と、やさしい香りが魅力です。

• おすすめシーン：自宅のダイニング・玄関の花瓶
• 長持ちポイント：水をこまめに替え、下葉をしっかり取り除く
• カラー：白・ピンク・ラベンダー・クリームなど

短く切って小さな花瓶に挿すだけでも、冬らしい空気が一気に高まります。

カーネーションは一年を通して出回りますが、気温の低い冬は特に長持ちします。
色のバリエーションが豊富で、他の花とも合わせやすい万能選手です。

• おすすめシーン：自宅・贈り物・仏花までオールマイティ
• 長持ちポイント：茎を斜めにカットし、花瓶の水は少なめに保つ
• メリット：価格も比較的手頃で、日常の花として続けやすい

大きな花顔が印象的なガーベラ。
夏は暑さで弱りやすい一方、冬は茎も折れにくく、比較的安定して楽しめます。

• おすすめシーン：リビング・子ども部屋・明るい玄関
• 長持ちポイント：水は少なめにし、こまめに切り戻す
• カラー：白・ピンク・オレンジなど、元気な色が豊富

冬から春にかけてだけ出回る、期間限定の香りの花。
ひらひらとした花びらと、淡いパステルカラーが魅力です。

• おすすめシーン：贈り物のブーケ・自宅の一輪挿し
• 長持ちポイント：茎が細いので、浅めの水で管理する
• 相性の良い花：バラ・チューリップ・ストックなど

冬の胡蝶蘭ギフトと並ぶ人気が、洋ランのシンビジウム。
花持ちが非常によく、切り花でも鉢花でも1ヶ月以上楽しめることもあります。

• おすすめシーン：お歳暮・お正月の玄関飾り・事務所受付
• 長持ちポイント：直射日光とエアコンの風を避け、5〜15℃程度の涼しい場所に置く
• 贈り物メリット：「長く楽しんでください」という一言が似合うギフト

クリスマス〜年末年始の贈り物として定番のシクラメン。
正しく管理すれば、冬の間ずっと次々と花を楽しめます。

• おすすめシーン：自宅リビング・玄関・贈り物
• 管理のコツ：10〜20℃前後の明るい室内、土の表面が乾いたら鉢底からたっぷり水やり
• 注意点：暖房の風が直接当たる場所はNG

赤×グリーンのコントラストが美しいポインセチア。
冬のインテリアを一気にクリスマスモードにしてくれます。

• おすすめシーン：玄関・ショップディスプレイ・季節のギフト
• 管理のコツ：寒さには弱いので、5℃以下にならない室内で管理
• 色バリエーション：白・ピンク・マーブルなど、近年はシックな品種も増加

生のヒバやコニファーなどの針葉樹グリーンは、
切り枝でも長く形が崩れにくく、リースやスワッグにも最適です。

• おすすめシーン：玄関リース・壁飾り・テーブルスワッグ
• 長持ちポイント：直射日光と暖房を避け、風通しの良い場所に飾る
• 香り：森林浴のような清々しい香りで、冬の空気を爽やかに

キャベツのような見た目が特徴の葉ボタン。
寒さに非常に強く、屋外の寄せ植えや正月飾りとして人気です。

• おすすめシーン：玄関前のプランター・門松代わりの寄せ植え
• 長持ちポイント：屋外の日当たりのよい場所で、乾いたら水やり
• カラー：白・ピンク・紫など、和風にも洋風にも合わせやすい

赤い実がきれいな南天（なんてん）や、ヒイラギは、冬の和風アレンジに欠かせない枝ものです。
1本あるだけで季節感と格式がぐっと高まります。

• おすすめシーン：玄関の花瓶・お正月の床の間・店舗ディスプレイ
• 長持ちポイント：涼しい場所に置き、水は毎日替える
• 意味合い：「難を転ずる」と言われ縁起物としても人気

花材選びと同じくらい大切なのが、飾り方と日々のケアです。ちょっとした工夫で持ちが大きく変わります。

• エアコンの風が直接当たらない場所に置く
• 夜は玄関や廊下など、少しひんやりした場所に移動する
• 花瓶の水は毎日交換し、茎を1cmほど切り戻す
• 下葉が水に浸からないようあらかじめ取り除く

これだけで、切り花の持ちは1〜2倍変わることも。
「冬は長持ちしやすい季節」と意識して、ぜひ丁寧に楽しんでみてください。

冬は外が寒く、家にこもりがちな季節。
だからこそ、玄関やリビングに一輪でも花があるだけで、日常の景色が大きく変わります。

「寒さに強い花材を選ぶ」
「エアコンの風を避ける」
「水替えと切り戻しを習慣にする」
この3つを意識すれば、冬の花はぐっと長持ちしてくれます。

自宅用にはカジュアルに、贈り物にはシンビジウムやシクラメンを。
玄関には針葉樹グリーンや葉ボタン、南天の枝ものを。
冬ならではの花を取り入れて、季節の移ろいを楽しんでみませんか。