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迎春アレンジメントの選び方|意味・縁起花・門松との違いを解説
迎春アレンジメントの選び方|意味・縁起花・門松との違い
12月も後半になると、「そろそろお正月のお花を用意したい」という声が増えてきます。なかでも人気なのが、松や南天、千両などの縁起の良い花材を合わせた迎春アレンジメント(お正月アレンジ)です。
玄関やリビングにひとつ飾るだけで空気がキリッと改まり、「新しい一年を迎えるんだな」と気持ちが引き締まります。一方で、
- 門松とは何が違うの?
- どんな花を使うと縁起が良い?
- どのくらいのサイズを選べばいい?
など、いざ選ぼうとすると疑問も出てきますよね。この記事ではフローリスト目線で、迎春アレンジメントの意味・縁起花・門松との違い・飾る時期と場所を分かりやすく解説します。
1.迎春アレンジメントとは?意味と由来
迎春アレンジメントとは、「新しい年神様(歳神様)をお迎えし、1年の幸福や繁栄を願って飾る花飾り」のこと。松や南天などのお正月の縁起物に、菊やラン、バラなどを組み合わせて、器にデザインしたアレンジメントです。
もともとは、歳神様をお迎えする印として門松やしめ飾りを飾る文化が中心でしたが、近年は
- マンション住まいで大きな門松は置けない
- 室内をさりげなく華やかにしたい
- 贈り物としてお正月らしいお花を届けたい
といったニーズから、コンパクトで飾りやすい迎春アレンジメントが一般のご家庭や店舗、オフィスでも広く楽しまれるようになりました。
2.迎春アレンジメントに使われる「縁起花」とそれぞれの意味
迎春アレンジメントには、お正月ならではの縁起の良い花材がたくさん使われます。意味を知って選ぶと、より気持ちのこもったお正月飾りになりますよ。
松(まつ)|不老長寿・長く続くご縁の象徴
常緑で一年中青々としている松は、不老長寿・長寿繁栄の象徴。門松の主役でもあり、歳神様が降り立つ“依代(よりしろ)”とも言われます。迎春アレンジメントでは、すっと伸びる松が全体を引き締め、お正月らしい凛とした印象に仕上げてくれます。
南天(なんてん)|「難を転じて福となす」
南天は、名前の響きから「難(なん)を転(てん)じて福となす」と言われ、古くから厄除けの木として親しまれてきました。赤い実がたわわにつく姿はとても華やかで、迎春アレンジメントのアクセントにもぴったりです。
千両・万両|金運・豊作・子孫繁栄
千両・万両は、赤い実が枝いっぱいにつく姿から、金運上昇・豊作・子孫繁栄を意味する縁起物。特にお商売をされている方に贈る迎春アレンジメントには、ぜひ入れておきたい花材です。
菊(マム)|長寿と高貴さ
日本を代表する花のひとつ、菊。邪気を払うとされ、長寿と高貴さを象徴します。近年はポンポン咲きやスパイダー咲きなど、洋風インテリアにも映えるマムが増え、迎春アレンジメントをモダンな雰囲気に仕上げたい時にも活躍します。
ラン(シンビジウム・胡蝶蘭など)|気品と幸福
冬に旬を迎えるランは、お正月花としても人気です。特に胡蝶蘭は「幸福が飛んでくる」という花言葉をもつ、とても縁起の良い花。迎春アレンジメントに少しあしらうだけで、ぐっと高級感が増します。
赤い花(バラ・カーネーションなど)|喜びと繁栄
お祝いの定番カラーである「赤」は、喜び・情熱・繁栄を表します。最近は、松や南天と組み合わせて、バラやカーネーションを使った和洋折衷の迎春アレンジも人気です。洋室やモダンな空間に飾る方には特におすすめです。
水引(みずひき)・金銀の飾り|縁を結び、福を呼ぶ
くるりと結ばれた水引飾りには、「人とのご縁がほどけず続きますように」という願いが込められています。金銀の水引やピックは、迎春アレンジメント全体にお祝いムードを添えてくれます。
3.迎春アレンジメントと門松の違い
「お正月飾りといえば門松」というイメージも強いですが、迎春アレンジメントとは役割や飾り方が少し異なります。違いを押さえておくと、どちらを用意するか判断しやすくなります。
| 項目 | 迎春アレンジメント | 門松 |
|---|---|---|
| 目的 | 室内を華やかにし、新年を寿ぐ花飾り | 歳神様を迎えるための目印となる正月飾り |
| 主な設置場所 | 玄関・リビング・カウンター・受付など室内 | 玄関の外・門まわりなど屋外 |
| 形状 | 器に生けたアレンジメント(コンパクト〜中型) | 竹・松を主体とした対の大きな飾り |
| 現代的な使われ方 | 家庭・店舗・オフィス・贈り物として広く利用 | 企業・商業施設・神社仏閣などフォーマルな場が中心 |
大きな門松を置くスペースがないお家やマンションでも、迎春アレンジメントならテーブルや玄関の棚の上など、少しのスペースで気軽にお正月らしさを演出できるのが魅力です。
4.プロが教える、迎春アレンジメントの選び方
1)飾る「場所」からサイズと形を決める
まずはどこに飾りたいかを決めると、自然とサイズ感や形が絞られます。
- 玄関: 縦にすっと伸びるデザインや、少し高さのあるアレンジがおすすめ。お客様をお迎えする顔になります。
- リビング: テーブルの中央に置くなら、どの方向から見てもきれいなラウンド型や横長タイプが◎。
- 和室: 低い卓や床の間には、落ち着いた色味で高さを抑えたアレンジが馴染みます。
- 店舗・オフィス: カウンターや受付には、遠目からでも目を引くボリューム感のあるデザインが人気です。
2)「どんな一年を願うか」で縁起花を選ぶ
迎春アレンジメントは、願いごとに合わせて花材を選ぶ楽しさもあります。
- 家族みんなの健康を願う → 松・菊・南天
- お仕事の発展・商売繁盛 → 千両・万両・ラン・赤い花
- 人とのご縁を大切にしたい → 水引飾り・胡蝶蘭
飾る場所だけでなく、「どんな年にしたいか」という気持ちで選んでみると、より特別な迎春アレンジになります。
3)インテリアに合わせて色合いを決める
迎春アレンジの基本カラーは「赤・白・緑+金」。これに、差し色として紫やピンクを加えると、和モダンな雰囲気に仕上がります。
- ナチュラルインテリア → 白・グリーン基調に金を少しだけ
- 和テイストのお部屋 → 赤・金をしっかり効かせた華やかな配色
- ホテルライクな空間 → 白とグリーン+ワインレッドや深い紫で大人っぽく
「ここに置いたらどんな色が映えるかな?」と想像しながら選ぶと、暮らしになじむお正月花になります。
4)日持ちの良い花材が多いものを選ぶ
お正月は暖房で室内が乾燥しやすく、花が傷みやすい環境です。長く楽しみたい方は、松・千両・南天・菊・カーネーション・ランなど、寒さに比較的強い花材を中心に使ったアレンジメントを選ぶと安心です。
また、吸水スポンジに挿したアレンジメントなら、水替えの必要はなく、器の中の水を足すだけでOK。忙しい年末年始でも負担になりません。
5.迎春アレンジメントはいつからいつまで飾る?
迎春アレンジを飾り始める時期の目安は、一般的な正月飾りと同じです。
- おすすめ: 12月28日ごろ〜30日までに飾る
- 避けたい日: 12月29日(「二重に苦」に通じる)、12月31日(一夜飾り)
地域の風習によって多少異なりますが、暮れの大掃除が終わり家の中が整ったタイミングで飾ると、気持ちよく新年を迎えられます。
片付ける時期は、松の内(一般的には1月7日、一部地域では15日)を過ぎた頃が目安です。花の状態が良ければ、その後も数日〜1週間ほど楽しんでいただいて問題ありません。
6.運気アップにもつながる?迎春アレンジメントの置き場所
迎春アレンジメントは、「家の中で良い気を巡らせたい場所」に置くのがポイントです。
玄関|新年の「顔」になる場所
玄関は人だけでなく、運気や空気が出入りする場所。ここに迎春アレンジを飾ると、家族や来客を明るく迎え入れることができます。靴箱の上など目線の高さにくる位置がおすすめです。
リビング・ダイニング|家族が集まる中心
家族が集まるリビングやダイニングテーブルに迎春アレンジを置くと、食卓が一気に華やぎます。年賀状を書いたり、おせちを囲んだりする時間も、より特別なものになります。
和室・仏間|落ち着いた雰囲気のお部屋に
床の間や仏間に飾る場合は、色を少し抑えた和モダンなデザインがよく合います。仏花とは別に、季節の花として迎春アレンジを飾ることで、お部屋全体が明るくなります。
7.まとめ|迎春アレンジメントで、新しい一年を気持ちよくスタート
迎春アレンメントは、伝統的な縁起花の意味を大切にしながら、現代の暮らしにも取り入れやすい「お花で作るお正月飾り」です。門松のような本格的な飾りは難しいというご家庭でも、コンパクトなアレンジひとつで、お部屋の空気がぐっとお正月らしく整います。
選ぶときは、
- 飾る場所(玄関・リビング・和室など)
- 願いを込めたい縁起花(松・南天・千両・ランなど)
- お部屋のインテリアに合う色合い
- 日持ちしやすい花材が多いかどうか
といったポイントを意識してみてください。
新しい一年が笑顔あふれる年になりますように——。そんな願いを込めて、今年はぜひ、お気に入りの迎春アレンジメントを暮らしに迎えてみませんか。
